La tentative ( 企て ) 7

『オリアナ様、オリアナ様、如何なさいましたか?』

『…ん?
ああ、眠ってしまった様だな。』

『お疲れのご様子ですね。
湯あたりをしてしまうといけませんので、もうお上りになった方が宜しいかと存じます。』

『ああ、そうだな。
そうしよう。』

『お前達、オリアナ様がお上りになりますよ。
お支度を整えて差し上げて。』

『はい、かしこまりました。』



『このところお食事をあまり召し上がっていないようですね。
少しお痩せになったようですし。』

『心配はいらぬ。
…私が痩せるとお前が叱られてしまうのか…。
息苦しいものだな。
自己管理はしているつもりだし、死のうなどとは考えていないから安心してくれ。』

『オリアナ様、私は、その様な理由で申し上げたのではありません。
…御髪は私が致します。
お前達は下がってよろしい。』

『はい、それでは失礼致します。』



『オリアナ様。
侍女を供にする事も許されず、たったおひとりでこの国にお越しになった貴女様は、この国の誰よりも気高く潔く美しく、一目で私は心を奪われました。
この方の侍女としてお仕え出来る喜びを感じると共に、お守りして行くのは私の使命と心得、全力でお尽くししようと思いました。
それは月日を経た現在でも変わる事はございません。
…そして日々の中で思う事がございます。』

『なんだ、ギュリス。』

『貴女様が再びお国にお戻りになるために、その手助けをするのが私の本当の務めであると確信したのでございます。』

『…それは…』

『女の私ですら魅了されたのです。
お国には貴女様のご帰国をお待ちになっている殿方がいらっしゃるのではないかと。』

『…。』

『普段、陛下のお言葉に、揺れる心を表にお出しにならない貴女様が、あの時は…。』

『…。』

『貴女様は、この国にいらしてはいけません。』





『…ギュリス、私は1人ででもこの国を出る策を練っていた。』

『どうか私をお役立て下さい。』

『それが何を意味するか、わかっているのか?
そんな事をしたら、お前やお前の家族にまで害が及ぶのだぞ。』

『私には親はおりません。
…私の母は小間使いとして宮殿に上がり、ある方のお手付きとなり密かに私を産みましたが、産後の肥立ちが悪く亡くなったのでございます。』

『ある方とは…陛下の事か。』

『…その通りでございます。』

『陛下を恨んでいるのか?』

『…憎い相手ではありましたが…。
風の噂で聞いた落とし子の事を哀れに思ったのか、影で支援をして下さっていた様です。
私は、貴女様が母の様に危険な目に会うのが怖いのです。』

『では…やはりお前の母上は殺されたというのか?』

『おそらく…。
ですが、それは陛下にではありません。』

『ふむ。
もう、何度かそんな目に遭っているぞ。ふふ。
私に子が生まれるのを恐れているのであろうな。
よくある事ではあるが。』



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うたかた

Author:うたかた
『ベルサイユのばら』のオスカル様に恋い焦がれる『うたかた』の二次創作ブログです。
手描きのイラスト(デジタルのものも少し)と短い会話文で綴るサイドストーリー、コミック、雑文などを置いています。
原作をこよなく愛していますが、アニメも大好きです。
間違いだらけの拙い作品ばかりですが、大きなお心で受け流して下さいませ。
また、原作者様、出版社様等とは一切関係ございません。
どうぞよろしくお願い致します。
2015年7月からpixivにも投稿していますので、宜しければお立ち寄り下さい。

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