La même direction ( 同じ方向 )
『いくら愛し合っていても、いつか永遠の別れがやってくる。』
『まあ…その通りだが。』
『私とお前にも、いつか突然別れが。』
『考えたくないな。』
『終わる時に何を思うのだろう。』
『俺の事ばかり思い浮かべて欲しい。』
『そうはいくか。』
『そうだよな。そうはいかない。
俺だってそうだ。』
『そうなのか?』
『お前の事ばかり思い浮かべたいが、そうではないかもしれない。』
『…。
まあ、所詮お前の頭の中まで私は関知出来ん。
操作出来ることでもあるまいし。
お前の意思も及ばぬ走馬灯がくるくる回るのだろうな。
故郷の事や両親との思い出や、私の知らぬお前の世界が。』
『俺の世界か。
やましい事ばかりで、走馬灯が回るたびにニヤニヤしてしまうかもしれないぞ。
お前には見せられない顔で。ははは。』
『呼び戻してやるから、安心してその不埒な走馬灯を回せ。
面白そうだから、出来れば私も覗きたいものだが。ふふふふ。』
『殴られるから絶対に阻止だ。
最後の砦は死守するぞ。
あははは。』
不安な気持ちを笑い飛ばす事が、このお二人なら容易いのではないかなと思い、こんなのを描いてみました。
いつの間にか本題から逸れていたり、意図的に逸らしたり。
その手にはのるかとばかり言い合う事もあったかも知れませんが、私にはなかなかそちらの方向へ向くお話は思い浮かびません。
過酷な任務に追われる彼女と、身分違いの彼女を得てもその根底までは覆らない事を受け止め、静かに寄り添う彼。
そんなお二人が、この話の中に出ていると良いなと思います。
Aimer, ce n'est pas se regarder l'un l'autre, c'est regarder ensemble dans la même direction.
愛するとは、たがいに見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見ること。」
( 『星の王子さま』 サン=テグジュペリ )
蜜月のお二人の関係もそんな風だったのだろうと妄想しています。
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- Oscar et André
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