Le parfum sucré ( 甘い香り )





『…汗と埃にまみれているぞ。
野良猫よろしく、髪もくしゃくしゃゴワゴワだ。』

『はは、お互いさまだな、くしゃくしゃゴワゴワは。』

『おまけにおよそ女の匂いとは程遠い。そんなに顔を寄せるな…。』

『ふふ…お屋敷に来たばかりの時、プンプンと怒るお前の髪が揺れるたびに良い香りがして、ああ、この人は自分とは生きる場所の違う人だと感じた事があったな。』

『匂いでそんな事を思うものか?』

『育った村では嗅いだ事のない匂いだったから。
匂いではなく、香りだな。
それが何の香りか、お前付きの小間使いに聞いた事があったが…。』

『何と言っていた?』

『肌や髪に塗り込む薔薇の香りだと言っていた。それと…。』

『それと?』

『お前に言うとお前付きの侍女が迷惑を被るから、お嬢様には香りの事は言ってはいけないよと釘をさされた。』

『なんだそれは。』

『塗られるのが嫌だと毎回ごねていると聞いた。
俺がお前に言ったら、抵抗が輪をかけて激しくなるから黙っている様にと。
向こうも仕事だからな。
早く終わりにして次の用事を済ませたかったのだろう。』

『…ああ、思い出した。
そうそう、その件は婆やに叱られたんだ。
(こちらも仕事でございます。
これをしなければ、この娘は給金を貰えないのでございますよ、お嬢様。次代の御当主であるのですから、使用人の事もお考えになって下さいましな。)
と。』

『そうか、さすがおばあちゃんだな。』

『 ( 仕事でございます。) は効いたな。それからは、小間使い達の心遣いは素直に受けるのが私の務めだと自覚したんだ。』

『素直にね。
では、俺の心遣いも素直に受けてもらおうか。馬車に乗ってくれ。馬は厩舎に置いていこう。』

『…いや、馬で帰る…。』

『俺の仕事だ。白状しろよ。お前調子悪いだろ。』

『ふふ…ばれたか。』


彼の胸に顔を埋めているうちに、力なく崩折れそうになってしまう彼女と、だんだんと彼女の重みがかかってくる事から、体調の悪いのを悟る彼という感じで描いてみました。



テレ東の『美の巨人たち』で、今週と来週にロワールの古城についての放送があるようです。
行ったところが出てくるでしょうか。
楽しみです。
あと数分で始まります。








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  1. Oscar et André
  2. / comment:2
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管理人のみ閲覧できます

  1. 2015/11/28(土) 22:07:25 |
  2. |
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このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: Bon soir!

  1. 2015/11/29(日) 10:49:02 |
  2. URL |
  3. うたかた
  4. [ edit ]
り様
コメントをありがとうございます。
お久しぶりですね。
ここ一カ月、少し忙しい日々を送っていますが、元気にしています。
このブログも、描きたい気持ちを抑えられずあまり間を空けずに再開していました。汗
その件につきましては、連絡を受けています。
いろいろとお心遣いありがとうございます。
お絵描きのお話したいですね。

絵も文も不安定な拙ブログですが、またお立ち寄り頂けますと幸いです。
急に寒くなりましたが、ご自愛下さいね。
それではまた。




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lesyeuxsaphir

Author:lesyeuxsaphir
『ベルサイユのばら』のオスカル様に恋い焦がれる『うたかた』の二次創作ブログです。
手描きのイラスト(デジタルのものも少し)と短い会話文で綴るサイドストーリー、コミック、雑文などを置いています。
原作をこよなく愛していますが、アニメも大好きです。
間違いだらけの拙い作品ばかりですが、大きなお心で受け流して下さいませ。
また、原作者様、出版社様等とは一切関係ございません。
どうぞよろしくお願い致します。
2015年7月からpixivにも投稿していますので、宜しければお立ち寄り下さい。

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