肩ズンの続き ( 初冬の図書室にて )

『それで俺は風邪を引いたのか。』

『お前があんまり気持ち良さそうに私の肩の上で寝息を立てているから、起こせなくなってしまって。
婆やを呼べば良かったが、大きな音で起こしてしまってはいけないと思ったんだな、あの時の私は。
あいにく、近くにクーヴェルチュール (couverture=毛布) も見当たらなかったし。
しばらくそのままじっとしていたんだ。
そうしたら私もいつの間にか眠ってしまったらしく。
そのうちに頼りない陽も落ち、真っ暗になった底冷えのする図書室で発見されて、それから…。
お前は熱を出したんだ。』

『お前よく覚えてるな。』

『あれは私の不覚だったからな。
仕出かした事は覚えているものだ。』

『何を仕出かしたって?』

『ん…今思えば、末っ子の依存心が顔を出したがゆえの判断ミスだ。』

『いぞんしん⁉︎』

『さすがにもうそんな事もなくなったが、子供の頃はたまにそんなのがチラついて、困ったものだ。
依存心からの判断力の欠如。
どちらにしようか迷っているうちに、父上にピシャリとやられる。』

『聞いた事のない話だな…。』

『なんだ、気付かなかったのか。
お前が来るまで、私は元来の性格と格闘していたんだ。
表向きにはお前の主人面もしなければならなかったしな。
ばれていなかったとは、頑張った甲斐があったと言う事か。あはは。』


オスカル様の人格形成には父上の意向が色濃く影響していると思います。
ある面では、持って生まれたものを許容されず、寂しい思いをされたかもしれません。
子供時代から、アンバランスで不自由な自分を感じながら生きていたのではないかとも。

『私は小さい頃ずっと、自分を男だと思っていたのですよ。本当になんの疑いもなく…。』

そう思わなければ、あの家では生きて来られなかった…。
アンドレが家に来て、彼女は少しづつ自分の価値を見出していった…。
これは全くの私の深読みです。
オスカル様が仰っていることが真実ですね。
失礼致しました。

寒そうなアンドレを描いてしまった事から、続きをと思い浮かんだ会話でした。

クーヴェルチュール。
ここでは毛布を指す名詞で使いましたが、製菓用のコーティングに使われるチョコレートもそう呼ばれますよね。
『覆いかぶせる』と言う意味があるようです。
ちょっと使ってみましたが、知ったかぶりですので、突っ込まないで下さいね。(笑)



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  1. Oscar et André
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うたかた

Author:うたかた
『ベルサイユのばら』のオスカル様に恋い焦がれる『うたかた』の二次創作ブログです。
手描きのイラスト(デジタルのものも少し)と短い会話文で綴るサイドストーリー、コミック、雑文などを置いています。
原作をこよなく愛していますが、アニメも大好きです。
間違いだらけの拙い作品ばかりですが、大きなお心で受け流して下さいませ。
また、原作者様、出版社様等とは一切関係ございません。
どうぞよろしくお願い致します。
2015年7月からpixivにも投稿していますので、宜しければお立ち寄り下さい。

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