La tentative ( 企て ) 1





『して…あの馬上のアマゾーヌは誰じゃ。』

『ジャルジェ将軍のご息女、オスカル・フランソワ様で御座います。』

『ほう、女ながらにオスカル・フランソワと申すか。
なんと凛々しく麗しいことよ…。』

『陛下、さすがにお目が高う御座います。
少しお歳は召していますが、忠肝義胆の将軍家の姫としての教養と誇り、そして見ての通りの凛とした清々しさも併せ持って御座います。
如何で御座いますか?』

『ふむ、そそられるのお。』

『それでは、早速将軍にはその旨申し入れますゆえ。』

『いや、わしから。』

『御意。』



淫乱な他国の国王に見初められて愛妾に…なんて話ですが、描きながらこじ付けたものですので、これ以上のお話はありません。

彼女が愛妾に。
将軍家といえども王族や皇族ではないので、王妃に収まるというのは無理かしらと思いますし、物語としても、よりあり得ない方が劇的で面白いものになると思います。
それにしても、清廉潔白な彼女が求められるまま愛妾になるというのは、どんな逆算が必要になるのでしょう…。
既婚者でなければ愛妾にはなれないようなので、まずそこらへんから攻めないといけませんね。
フランス国王の命により、名ばかりの伯爵夫人となった後、国の為、某国の愛妾として迎えられ生きていく…。
表向き愛妾となるも実はスパイとして祖国の為に働く…。
何れにしても私などには手に負えそうにありません。

凛々しいとか、麗しいとかいうご本家の彼女を表す形容詞は、拙作の彼女では到底表現出来ず、文字にするのもお恥ずかしいです。汗



2月11日画像を変えました。
前のものにも温かい拍手をありがとうございました。


La tentative ( 企て ) 2は、La clefにあります。
色々と気分が悪くなる恐れがありますので、読むか読まぬかは熟慮の上お決め下さい。
宜しくお願い致します。









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La tentative ( 企て ) 3






『…しばらく自由に会えなかったが、元気でいたか?』

『ああ。…お前はどうだった。』

『お前も知っているだろう。
こんな格好をさせられた上、女性としての所作の特訓だぞ。毎日辟易していたよ。』

『…しかし綺麗だよ。』

『…こんなもの。
向こうに行ったら、キュロットを履いて馬に乗ってやる。』

『ははは、叶うといいな。』

『…お前は案外冷静なのだな。安心したよ。』

『そんなふうに見えるのか。
明日お前が旅立つというのに、冷静でいられるわけはない。』

『…突然別れが来ることもあるのだし、今度の事では使者が来てからだいぶ時間があったのだからまだ良い方だろう。
その間にお前が、私との逃避行を計画してしまってはとハラハラしたが。ははは。』

『計画したさ。』

『したのか?』

『お前が誰かのものになるくらいならと…。だが、それは愚かしい事だ。
お前が苦悩の末に出した結論を、俺がどうこうしてはいけないだろう。』

『…そうか。よかった。』

『行くのはお前の決意。』

『…。』

『救いに行くのは俺の決意だ。』

『…お前、犬死にしたいのか。』

『犬死にではない。それにお前の為に死ねれば本望だ。』

『お前はこの国で生きてくれ。
主人としての最後の命令だ。』

『…。』

『お前と私は、少しの偶然から人生を共有し、また離れる。それだけのことだ。
その先にはまたそれぞれの人生が待っているはずだからな…。自分を大事にしてくれ。』

『偶然?
運命だ。
もう一度共有する為に、俺はお前を救いに行く。
だからお前こそ生きていてくれ。』

『…良い…。もう良いのだ。
考えてみれば、本当に愛している人と生涯を共に出来た人間は少ないかもしれん。取り繕うだけの家庭の如何に多い事か。私もその道を辿るだけのこと…。』

『本心ではないだろう。お前の言葉ではない。』

『良いかよく聞け。助けなど要らぬぞ。そして私が死んだと風の噂に聞いても信じるな。』

『なんだそれは。』

『ふふ、お楽しみにだ。』

『ぎりぎりなのにお楽しみにか。』

『私は必ずここに戻って来る。
楽観主義者ではないが、今はそう考えていなければ、身を滅ぼしそうだ…。だから、お前だけでも笑って送り出してくれよ。私も笑って旅立つから。』

『わかった。約束する。』

『アンドレ…私は王のものになる。それでも私を愛してくれるか。』

『とこしえに。』

『…今度会うときは、傲慢な女になっているかもしれんが…許してくれるか。』

『それは困るな。これ以上振り回されるのは…。ははは』

『あはは、もっとも年老いていて、誰なのか判らんかも知れぬな。』

『見損なうなよ。一目で判るさ。』

『…また会おうな…。』

『勿論だ。』



ややこしい題名で恐縮です。
後で番号を振ろうと思います。







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La tentative ( 企て ) 4





何となくコマで描いてみましたが、自分でも何だかな〜な出来です。
この先はまた文章とイラストでという事になりそうです。






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La tentative ( 企て ) 5




今回は、彼女に王がつけた名前が出てきますが、気になる方は読まない方が良いと思われますので宜しくお願い致します。



『金糸の刺繍を施した扇、眩いばかりの黄金のティアラ、宝石を散りばめた煌びやかなドレス、色とりどりの薔薇を咲かせる華やかな離宮。
儂の心からの贈り物を、そなたは何ゆえ喜ばぬのじゃ。
魅惑的な青い瞳に儂を映していても、そなたは笑み一つ向けてはくれぬ。
こんなに儂が尽くしておるのに、そなたは何ゆえ応えぬのじゃ。
オリアナよ。
そなたは儂のものじゃぞ。
儂だけのものじゃ。
誰にも渡さぬ。
誰にも…。』

『…そう言えばそなた…ここに来て直ぐに男名を口にしたのう。』

『!』

『そうじゃ…その男をここに呼んでやろうか。
そして、儂の力を見せつけてやるのじゃ。
…我ながら名案ではないか。』

『陛下。
私は、将軍である父から男性として教育を受けました。
幼き頃から、人形ではなく剣を、豪華なドレスより美しい毛並みの馬をと普通の女性とは違う物を好んでいた様に思います。
それは長い間の思考でもあり、本来の姿で生きる現在でも変われずに、未だに戸惑う事が多くございます。
陛下の御心を正面からお受けしようと思えば思うほど、過去の自分が邪魔を致します。
しかしながら、その事で陛下にご心痛を負わせてしまった事は、私の不徳の致すところでございます。
…どの様な男名を口にしたのか、今となっては思い出す事も出来ませんが、お言葉の通り私は陛下だけのものでございますし、これ程までに愛されていることを幸せに思います。
陛下のお心を改めて伺い、これまでの自身の思慮の足りなさを深く反省し、努力して参ろうと思います。』

『これからは、儂に微笑んでくれるというのか?
いつでも儂を満たしてくれると?』

『勿論でございます。
私は陛下の全てを愛しています。』

『その言葉、嘘偽りではなかろうな。』

『陛下の真心に、真心でお応え出来ないオリアナとお思いですか?』

『ふむふむ、分かれば良いのじゃ。』

『ありがとう存じます、陛下。』



王につけられた彼女の名を『オリアナ』としました。
自分でも違和感を感じるのですが書いてみました。
オリアナ、オリアーナを検索してみますと、ゲームやアニメのキャラの名前で使われているのがわかりますが、響きが良かったので使う事にしました。
オリオンを意味する名前だそうです。






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La tentative ( 企て ) 6





そなたに武器を持たせれば、それは儂の破滅にも繋がるであろう。
見張りをつけてはいるが、軍にいたそなたじゃ。
薄暗いこの寝所に小剣を隠し持って、というのも容易いことと心得てはおる。
ところが…。
年老いた我が身に若い頃の俊敏さはないにしても、そのスリルをも楽しんでいる自分がいるのじゃ。
そなたになら切られても…とも思うのは何故であろう。
どうやらそなたの魔術にかかってしまった様じゃのう。
この儂であっても、立ち入る事が許されない誠の聖女のままに、ここにいてくれるのが奇跡のようで嬉しいのじゃ。
ふっふっふ、
いよいよ儂も終わりが近いのかのう。









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lesyeuxsaphir

Author:lesyeuxsaphir
『ベルサイユのばら』のオスカル様に恋い焦がれる『うたかた』の二次創作ブログです。
手描きのイラスト(デジタルのものも少し)と短い会話文で綴るサイドストーリー、コミック、雑文などを置いています。
原作をこよなく愛していますが、アニメも大好きです。
間違いだらけの拙い作品ばかりですが、大きなお心で受け流して下さいませ。
また、原作者様、出版社様等とは一切関係ございません。
どうぞよろしくお願い致します。
2015年7月からpixivにも投稿していますので、宜しければお立ち寄り下さい。

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