成敗の裏側

いつもご覧頂きましてありがとうございます。
今日もイラストの更新はありません。
その代わりと言ってはなんですが、少し前に書いた文章を置いていきたいと思います。
はっきり言ってあまり面白くないです。
地味です。
しかしこの場面を親になって読んだ時に、父上の真意はどうであったかを考えましてね。
そうしたら降りて来たのです、こんなのが。
良かったら、どうぞ読んでやってくださいまし。


『父の成敗の裏側』

娘の不始末に抜き身の剣を持ち階段を駆け上る将軍。
召使い達は恐れおののいている。これから起こる事は、この将軍家を左右する一大事。
固唾を飲んで、当主の行方を追う。
将軍は娘のオスカルの部屋に躊躇なく入って行った。

『勲章と階級章を外し、そこになおれ!』
『国王陛下から正式な処分決定があるまで外しません』
『処分など待つまでもない!この謀反人が!』
将軍は、オスカルの襟元を掴んで言う。
『いいか聴け!たとえすべての貴族が王室を見捨てて平民に味方しようともこのジャルジェ家だけは、最後まで陛下に忠誠をつくし王家をお護りするはずだったのだ!
この家から裏切り者を出す訳にはいかん。父がこの手で成敗してやる。』
将軍は剣をオスカルの頬に。
そして振り上げる。
オスカルは青ざめ、しかし最早これまでと身動きしない。
父と娘は対峙する。

つと父の形相が変わった。
つうと涙が流れ出す。
オスカルは、目を見開き父の言葉を待った。

『オスカル…』
『父上…』
父の剣を持つ手が震え、刃は光を失っている。
そして振りかざした腕を下ろし、顔を背けた父の表情は見えない。
『お前を切る代わりに命令する。この家から出ていけ。』
『何を仰るのですか。』
父の目は、今度はオスカルの青い瞳を正面から捉えた。
『お前はもうジャルジェ家の次期当主でも、軍人でもない。一人の女としてこの家から出て行くのだ。』
『父上、仰る意味がわかりません。』
『今夜、この家から去れと言っているのだ。お前はこの父によって切り捨てられたと同じ罰を受けるのだ。謀反人がジャルジェの家にいては陛下に顔向けが出来ない。』
『父上、私に逃げよと仰せですか?』
『私は今、お前と縁を切る。もう親でもなければ子でもないのだ。よいか!夜が明けぬうちに出て行くのだ!』
『父上、お断りします!』
『お前はもう私の子ではない。』
堪えていた涙がオスカルの頬を伝う。
『父上、父上のお気持ちは母上から伺っております。それゆえ、出て行けと言われるのではないのですか?』

少しの沈黙の後、父は娘から目を逸らし、ふっと笑った。
『そうだ、愚かな父だと笑いたければ笑うがいい。私はお前をこの混沌とした場所に置きたくないのだ。女として解き放たれ、幸せになって欲しい。上の娘達と同じ様に伴侶と共に領地を納め、子を産み育て、良い人生だったと思い返せるように…』
オスカルは涙を浮かべながら、微笑んだ。
『父上、感謝致します。私の事を思って下さるだけで、十分でございます。軍人でジャルジェ家の次期当主。それが私の全てでございます。それが許されぬのなら、今ここで父上の手により喜んで成敗されましょう。出て行くなど出来ぬ事です。私は、卑怯者になりたくはございません。』
オスカルと父は、お互いの気持ちを受け止める様に見つめ合う。

『全く、その強情は誰に似たのだ。』
父は心なしか笑みをうかべ、そしてまたすぐ厳しい将軍の顔で言った。
『王后陛下からのお達しだ。軍務証書を取りに宮廷に伺うように。分かったか。処分はなしとのお言葉だ。』
父は娘の部屋を後にし、もうそれ以後は娘の進退には触れる事はなかった。



読み返すと、オスカル様の強情がそうでもないですね。(汗)
たまに文章が浮かびますが、拙いのです本当に。

原作の様にアンドレが止めに入るなんて、父上は思っていなかったはずです。
だとしたら、本当にオスカル様を成敗したのだろうか、アニメの様に父上も後を追うつもりだったのだろうか…と思いました。
王后陛下からの許しも出ているのに。
自分の考えで、人生を最初から変えてしまった可愛い末姫を、本当はそんな目には合わせたくはないのではないかと思いまして。それともそれが、将軍家であるが故の定めなんでしょうか。

アンドレが止めに入らなかったらのお話でした。
読んで下さってありがとうございました。




スポンサーサイト
  1. ささやかなSS
  2. / comment:0
  3. [ edit ]

オスカルと母




これが定めと言われるのですか?
これがこの子の定めだと…

毎日、そう毎朝毎夕、あなたの丸いほっぺを、本当に飽きずにこの掌で包んだものですよ。
柔らかくて、温かくて、ミルクの匂いがして、時々笑いかけてくれた私の天使。
名前を呼ぶ度に心は痛んだけれど…

私は、お父様があなたの人生を決めてお仕舞いになった時、まだそれが何を意味する事なのかわかっていなかった。
あなたは変わらず、揺りかごの中で楽しい夢を見ているように微笑んでいたから。
あのまま娘として私の腕から離さなければよかった…。
抱いたまま、お父様に渡さなければよかった。
そうしたら、こんな事にはならなかったのですものね。

あなたは私の産んだ娘。
あの時の丸いほっぺの赤ちゃん。

あの時定められたこの亡骸。
呼んでも叫んでも、もう私の元へは戻って来てはくれないのですか?
このままずっとここに居てはくれないのですか?
『ママン』と呼んではくれないのですか?『母上』とも?
起きて下さい。
起きて…
こんな姿を見るために、産んだのではないのですよ。

そう。
これは私の定め。
そうですよね。オスカル。
あなたの人生を傍観した私への罰。

アンドレと夫婦になったと聞きましたよ。
女性として輝いて、幸せになれたのですね。
ああ、それこそがあなたに定められた人生だったのだと思いたい。

痛かった事も、苦しかった事も、辛かった事も、全部私が引き受けます。
胸の傷も、肩の傷もあなたのものではありませんよ。
この母のものです。
だから、あなたはアンドレと幸せに。
美しいまま、天に行けますように。


ベルばらエピソード3発売の少し前に書いた文章に絵を描いてみました。
もし母上様がオスカル様の遺体に会えていたらのSSです。
私も、エピ3の様に、母上様はオスカル様の死を全部受け止めて、耐え切れずに亡くなったのではないだろうかと思っていました。

この絵の母上様は、派手になってしまいました。(汗)
微笑みも足りないです。(大汗)



  1. ささやかなSS
  2. / comment:0
  3. [ edit ]

NEW ENTRY  | BLOG TOP |  OLD ENTRY


« 2017 11  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

プロフィール

うたかた

Author:うたかた
『ベルサイユのばら』のオスカル様に恋い焦がれる『うたかた』の二次創作ブログです。
手描きのイラスト(デジタルのものも少し)と短い会話文で綴るサイドストーリー、コミック、雑文などを置いています。
原作をこよなく愛していますが、アニメも大好きです。
間違いだらけの拙い作品ばかりですが、大きなお心で受け流して下さいませ。
また、原作者様、出版社様等とは一切関係ございません。
どうぞよろしくお願い致します。
2015年7月からpixivにも投稿していますので、宜しければお立ち寄り下さい。

fc2カウンター

検索フォーム

QRコード

QR